中出敏彦 MASTERDELUXE50 1988年製 ハカランダ総単板 美品

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楽器情報

中出阪蔵を父に持ち、アグアド・エルナンデスに学び、その後もアグアド・トーンを探求したルシアーです。2021年に惜しまれつつ引退、2023年に逝去されており、新規で購入することは難しい貴重なギターです。ヘッドはアグアドを手本とした意匠とする梨地彫となっています。またトップ裏側には、貴重なトップ材の製作年の記載と氏の直筆のサインを認めます。バックの材は黒々とした豪快な杢目のハカランダ、現代においては入手が難しい良材と思われます。トップはセラック塗装のため弾き傷や打ち傷がありますが、目立つ大きな傷は認めず美品としての出品です。

35年以上経過した乾いた音に加え、決して籠ることはない、密度の高いクリアな音色が印象的であり、遠達性に優れたギターです。トップがセラック塗装のため、全体にさばけた音質となり、加えて低音の豊かさと柔らか高音で演奏者のタッチに応えます。弦長は640mmと弾き易い状況ですが、音量も兼ね備えたギターです。この制作時期において、MASTERDELUXEは最上級のグレードでした。その中でも50は最高級のギターに位置づけられていました。

トップはスプルース、年輪は緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。ロゼッタも品格があります。塗装はセラック、使用に伴う弾き傷、打ち傷、擦り傷はありますが、美観を損ねるような目立つ大きな傷はございません。サイドは割れ止めを認め単板、バックも単板で濃淡のはっきりした杢目のハカランダです。内部の仕上げも丁寧な仕事が行われています。カシューは良く馴染み、貫録のあるギターとなっています。ヘッドの突板はハカランダ、大きな傷もなく綺麗な状況です。梨地彫があしらわれ、高級感のあるギターです。指板に目立つ凹みはありません。フレットの減りは僅かに認め、中古ですので8割残とします。音の詰まりはありません。ネックはエボニー芯のスペイン式、二本のエボニー芯は機能的でありながらも美しい後ろ姿となっています。ネックは捻れはなく、ストレートです。弦高は標準の設定となっています。12F6弦の写真を添付していますので、そちらをご参照ください。サドルの残量がありますので、更に下げることが可能です。ペグはドイツのシャーラー（Schaller）製、ボタンは白蝶貝、スムーズに巻き上げます。