楽器情報

ルシアーは日本三大名工の中出阪蔵氏です。戦後のギターブームでは最高級のギターとして人気を博しました。50年以上経過した乾いた音が印象的であり、良く鳴るギターです。豪快な杢目のハカランダです。3000SSSは当時のフラッグシップモデル、パーフリングや最高級のハカランダなど相応しい仕様です。音の輪郭が明瞭であり、良く乾いた甘く柔らかな音質が印象的です。低音は豊かで遠達性の優れたギターです。

使用に伴い弾き傷や打ち傷、塗装のスレ、変色があります。また後述しますトップとバックの割れは、いずれも内部からパッチが充てられ丁寧な修理が行われ、今後の使用に何ら問題のない状況となっています。このため良品として出品します。

トップはスプルース単板、ドイツ松です。年輪は緻密な個体です。6弦側のブリッジからエンドにかけ杢目に沿った修理済みの割れがあります。ブリッジはハカランダ、剥がれはありません。寄木で作られたロゼッタは、品格があります。塗装はラッカー、トップには弾き傷や打ち傷があります。サイドは割れ止めはありませんが、内外で杢目は一致します。中出一族のギターを数多く所有していますが、割れ止めが無くとも単板仕様は通常であります。バックも単板です。内部塗装が行われ、仕上げは丁寧な仕事が行われております。バックには修理済みの4㎝程度の割れがあります。ヘッドの突板はハカランダ、匠な技で仕上げられた突板の彫刻はフラッグシップモデルとしての品格を備えたものです。指板には目立つ凹みは認めません。フレットの減りは殆ど認めませんが、中古ですので8割残とします。音の詰まりはありません。ネックは捻れはなく、ほぼストレートです。ネックはスペイン式、エボニー芯が二本用いられ、美しい姿にも貢献しています。弦高は低めの設定です。ペグはオリジナル、当時から最高級のスローン社製、軸間36mm程度です。