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野辺正二氏は日本三大名工の一人とされることは広く知られるところです。重厚で透明感のある繊細な音作りを追求し、制作時には30年以上管理された良材のみが使用され、狂いの少ない手工芸品です。

特徴は低音の豊かさに加え、50年以上経過した枯れた明るい音色を持ち合わせています。全体的に透明感のある太い音になっています。艶やかな主旋律は重厚な低音もバランス良く、上品な音色です。塗装下地の変色、塗装のスレ、比較的少ない弾き傷や打ち傷を認めます。ネックブロック周囲に極小の傷がございますが、年式を考慮すると比較的美品であり、オリジナルに加え、また木材の割れを認めないため美品として出品します。豪快な杢目の最高級のハカランダが用いられており、品格を備えたギターです。また中古品やヴィンテージギターへのご理解がある方に使って頂きたく思います。

トップはドイツ松、年輪は緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。塗装はセラックと思われます。トップには僅かな擦り傷、打ち傷を認めますが、総じて目立つ大きな傷はなく綺麗な状況です。サイドは割れ止めを認めハカランダ単板、バックもハカランダ単板です。いずれもラッカー塗装です。内部塗装が行われ、丁寧な仕上げが行われています。ヘッドの突板も美しく、大きな傷も認めず気品あるギターとなっています。指板の目立つ凹みはありません。フレットの減りは中古ですので8割残とします。ネックはマホガニー、捻れはありませんが軽度順反であり弦高は標準的からやや高め、サドルの出代も少ない状況です。ネックの元起き、トップの沈みやサドル周囲の隆起など顕著な症状は認めず、50年以上前の当時の設計段階で高めの弦高であったことも一因と考えます。ペグはオリジナルの当時の最高級品、ヘフナー製、軸間約40mm、新品時に比べ巻き上げのスムーズさは劣りますが、問題なく調律可能です。当時の貴重なオリジナルのため、このままで出品致します。