楽器情報

中出阪蔵を父に持ち、アグアド・エルナンデスに学び、その後もアグアド・トーンを探求したルシアーです。2021年に惜しまれつつ引退されています。胴内の塗装が行われ、ヘッドもアグアドを模した梨地彫となっています。バックの材は漆黒の豪快な杢目のハカランダであり、現在では極めて希少性の高い材です。割れや修理歴はなく、フルオリジナルでの出品です。

およそ50年経過した乾いた音に加え、クリアな音色が印象的であり、遠達性に優れたギターです。低音の豊かさと柔らか高音で演奏者のタッチに応えます。この制作時期は経済成長に伴い、物価の急上昇を短期間に認めていました。DELUXE、MASTER、MASTER DELUXEのモデル名の以前の型番となります。無傷ではありませんが、傷は少なく年式を考えると大変綺麗な状況です。ネックブロックのセドロ材に黒色の色移りの様な変色を認めます。カシューは良く木材に馴染んでいる状況であり、材から染み出たものか、色移りか判別ができません。

トップはドイツ松単板、年輪は緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。ロゼッタも品格があります。塗装はカシュー、使用に伴う弾き傷、打ち傷、擦り傷はありますが、深い目立つ傷は認めず、年式を考えると美品です。サイドは割れ止めを認め単板、バックも単板で深みのある黒色系の豪快な杢目のハカランダです。内部の仕上げも丁寧な仕事が行われ、胴内の塗装が行われております。ヘッドの突板はハカランダ、比較的綺麗な状況です。梨地彫があしらわれ、高級感のあるギターです。指板に目立つ凹みはありません。フレットの減りは僅かに認め、中古ですので8割残とします。音の詰まりはありません。ネックはエボニー芯のスペイン式となっています。ネックは概ねストレートです。弦高は標準の設定となっています。12F6弦の写真を添付していますので、そちらをご参照ください。サドルの残量が一定量ありますので、更に下げることが可能です。ペグは当時の高級品、スペイン製のFUSTEROが採用されています。