情報

小森廣氏は河野賢氏の直弟子であることは広く知られるところです。生涯現役をモットーに、材料の選定から仕入、製作まで一貫した作業を自らが行い、「木との対話」を重視し10年以上管理された良材のみ使用していました。太い低音と甘美な音色、狂いの少ないギターは、河野賢氏譲りの美しさを伴った工芸品です。

特徴は豊かな迫力ある低音で、全体的に透明感のある太い音になっています。甘美な主旋律は重厚な低音もバランス良く、上品な音色です。ハカランダ特有の塗装下地との変色を認めますが、美観を損ねることはありません。フルオリジナルに加え、弾き傷や打ち傷などは極めて少なく、また割れや修理歴は認めず極美品として出品します。最高級のハカランダが用いられており、決して派手ではないパーフリングやバィンディング、全てにおいて重厚感ある品格を備えたギターです。また中古品やヴィンテージギターへのご理解がある方に使って頂きたく思います。

トップはドイツ松、年輪は緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。塗装はカシューです。トップには僅かな擦り傷、打ち傷を認めますが、極めて綺麗な状況です。ロゼッタの寄木は精緻で美しい意匠となっています。サイドは割れ止めを認めハカランダ単板、バックもハカランダ単板です。内部塗装が行われ、丁寧な仕上げが行われています。ヘッドの突板も美しく、気品あるギターとなっています。指板の目立つ凹みはありません。フレットの減りは中古ですので9割残とします。ネックはスペイン式、エボニー芯の入ったセドロ、捻れはなく概ねストレート、クラシックギターとしては最適な状況です。弦高は標準的な設定となっていますが、サドルの出代は十分に認めており、演奏性を高めるため更に弦高を下げることが可能です。ペグはオリジナルのアルミ軸、GOTOH 35-G510シリーズです。