情報

YAMAHAは1966年、高級品の開発を目的にギター研究課が発足、1967年にはクラシックギター製作にあたりスペインの名工、エドアルド・フェレールを迎え、スペイン伝統の製法の技術指導を受けたとされています。1967年8月にYAMAHA GC-10、7、5、3が発売されました。その後、経済成長に伴い物価高の影響は大きく、販売価格は大幅に上昇します。1971年からはフラッグシップモデルはGC-20Dに引き継がれ、1974年にGC-20Mが発売され、貴重な初年度モデルとなります。同年にはカスタムモデルが発売され、トップモデルの座を譲りますが、カタログモデルのフラッグシップとして、良材のハカランダ、豪華なパーフリング、高級感のあるヘッド、最高級モデルにのみ許された蝶のロゼッタが用いられています。創意あるヘッドは、フラッグシップのみに許されたGC-15D及び20D譲りの貴重な意匠であり、GC-20Mにおいても短期間のみ採用されました。

特徴は低音の豊かで、やや粘り気のある高音も魅力的です。良く枯れた音は、660㎜の弦長がもたらす音量と密度を伴い、遠達性に優れたギターです。50年近く経過するギターであり、使用に伴う傷や塗装のチェックがありますが、修理歴は認めず、年式を考えると比較的綺麗な状況です。このため良品で出品します。材の割れ修理はございません。フルオリジナルで出品します。また中古品やヴィンテージギターへのご理解がある方に使って頂きたく思います。

トップは今は貴重なエゾ松、年輪は大変緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。塗装はラッカー、打ち傷、弾き傷を認めます。また左肩には4cm程度の塗装面のチェックがございます。材は動かず、胴内より2枚の鏡越しに撮影したトップ裏側の左肩の画像をご覧ください。材の割れはなく塗装面に限った状態です。サイドは割れ止めを認め単板、バックもハカランダ単板です。いずれも極薄のウレタンと思われます。目立つ大きな傷はなく、綺麗な状況です。ヘッドの突板はハカランダです。指板の目立つ凹みはありません。フレットの減りは中古ですので8割残とします。音の詰まりはありません。ネックはスペイン式となっています。ネックは捻れはなく軽く順反、クラシックギターとしては最適な状況です。ネック裏にはカポの跡がありますが、演奏上支障のない範囲で、美観を損なう範囲ではありません。サドルの出代は僅かに残っていますので、弦高はもう少し下げることができます。ペグは当時のYAMAHAオリジナル、軸間40mmです。