楽器情報

日本三大名工といわれる氏のギターは、日本で初めて世界に通用する製作家として広く知られている所です。バランスの良い豊かな音量、音響特性と日本の風土を考えた耐気候性の高さは、プロの演奏家の為の楽器です。当時の70年代は物価上昇が著しく、1975年当時ではNo.30、20に次ぐモデルでした。販売価格に相当する品番が採用されていた当時は、No.15もハカランダが用いられていました。

ハカランダ特有の変色がありますが、豪快な杢目も相まって趣がある外観となっています。弾き傷や打ち傷を認めますが、年式を考慮すると美品といえます。また材の割れや修理は認めずオリジナルで出品します。芯のある音は重量感があり、低音は重厚で力強く、高音は透明感のある音色、深く豊かで分離した音が印象的です。

トップはスプルース、年輪は緻密な個体です。ブリッジの剥がれはありません。塗装はカシュー、弾き傷や打ち傷を認めますが、年式を考慮すると傷は少なめで大切に扱われてきたギターです。サイドは割れ止めを認め単板、バックも同様の単板です。内部は塗装され、その仕上げも丁寧な仕事が行われています。塗装はカシューです。指板に目立つ凹みはありません。フレットの減りは中古ですので8割残とします。音の詰まりはありません。ネックはスペイン式となっています。ネックは捻れはなく極軽度順反、クラッシクギターとしては最適な状況です。エボニー芯が2本、美しい姿にも貢献しています。弦高は標準的～やや低く目に設定されており、演奏性に優れた現状となっています。ペグは当時の最高級品、ヘフナー、軸間39～40mmです。