楽器情報

YAMAHAは1966年、高級品の開発を目的にギター研究課が発足、1967年にはクラシックギター製作にあたりスペインの名工、エドアルド・フェレールを迎え、スペイン伝統の製法の技術指導を受けました。1967年8月にYAMAHA GC-10、7、5、3が発売されました。その後1974年からカスタムとしてGC-30Ａ、30B、30Cが発売されます。GC-30Aは独自の音とマヌエル・エルナンデスの製法を融合したYAMAHAの正当な血脈であり、その後GC-50、60、70、そしてGC-82へ引き継がれます。

特徴は伸びやかな高音に加え、減衰し難い豊かな低音、全体のバランスの良さです。弦長も手伝い音量は大きい個体です。40年以上前のギターであり、使用に伴う傷やスレ、塗装下地の変色がありますが、材の割れは認めず年式を考慮すると良品として出品します。中古品やヴィンテージギターへのご理解がある方に使って頂きたく思います。

トップはドイツ松、年輪は緻密な個体です。ブリッジはハカランダ、剥がれはありません。塗装はラッカー、擦り傷や弾き傷、打ち傷を認めますが、年式を考慮すると比較的良い状態が保たれています。サイドは割れ止めを認め単板、ハカランダ単板です。バックもハカランダ単板です。いずれもラッカーです。バックにはバックルの跡と思わる傷を認めます。塗装のスレや経年に伴う変色があります。内部の塗装が行われ仕上げも丁寧です。ヘッドの突板はハカランダ、梨地彫は美しく、フラッグシップモデルとして相応しい造形です。指板はロー側に僅かな凹み、ポジションマークのシールを剝した跡の傷を認めます。フレットの減りは中古ですので7割残とします。ネックはスペイン式、エボニー芯が用いられており、捻れはなく概ねストレートです。弦高は標準的な設定となっています。サドルの出代が十分に残っていますので、お好みで弦高の調整は可能です。ペグは当時の最高級品、オリジナルのヘフナーです。